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VoiceOver を使ってみた


VoiceOver とは

VoiceOver とは MacOS や iOS に標準でインストールされているスクリーンリーダーです。VoiceOver を利用すれば、画面上にあるテキストや画像などの情報を音声で読み上げてくれるため、画面を見なくてもデバイスの操作ができるようになります。

なぜ使ってみたのか

スクリーンリーダーを一度使ってみたかったからです。

私は普段の業務でプロダクトを開発しているチームに所属し、Web サービスのバックエンドからフロントエンドまで開発を担っています。

プロダクトを利用するユーザーは非常に多様であり、より多くのユーザーにとって使いやすく不便さを感じさせないプロダクトを目指しています。

主な操作をスクリーンリーダーを介して行なっている人に対するプロダクトの使いやすさを考慮する上で、実際に自分が使ってみることは不可欠だと考えました。

VoiceOver の使い方

VoiceOver をオンにする方法は複数あります。

MacOS

  • ショートカットキー
    • CommandF5 キーを押す
    • Command キーを押したまま Touch ID を素早く 3 回押す
  • システム設定
    • サイドバーのアクセシビリティから VoiceOver を選択し、オンにする
  • Siri に「VoiceOver をオンにして」と話しかける

iOS

  • 設定
    • アクセシビリティ → VoiceOver を選択し、オンにする
  • コントロールセンターに追加する
  • アクセシビリティのショートカットに設定して使用する
  • Siri に「VoiceOver をオンにして」と話しかける

Siri は設定次第では音声入力のみで利用開始できる点が優れていると感じました。

実際に使ってみて

実際に画面を見ないで音声案内に従い、iPhone, MacBook を使って普段の操作をある程度再現できました。

一方で、実際に使ってみて操作するハードルも多分に感じました。

  • 操作前に音声を聞き取り理解することが前提である
    • 聞き取り理解する行動がオーバーヘッドとなり、操作に時間がかかる
    • 音声を正しく理解できないと意図した操作に繋がらない
    • アプリケーションやブラウザ上のページによっては、操作する上で必要十分な情報を音声として読み上げてくれない

特に後半の項目の改善はプロダクトの開発者次第なので、普段からスクリーンリーダーによってどのように読み上げられるのかを考えていく必要がありそうです。

まとめ

今回は複数のデバイスで VoiceOver を使ってみましたが、多くの気づきを得られました。

リンクやボタンのテキスト、要素によっては WAI-ARIA を使って音声のみでも操作可能なマークアップをすることが望ましいですが、実際にスクリーンリーダーを通して発見できる改善点も必ずあるはずです。

より多くの人に価値を届けられるプロダクト開発に繋がるはずなので、今後も開発する際には積極的に使っていこうと思いました。

参考資料